日本庭園には3つの思想が影響しています。二番目に影響を与えた思想は「道教」です。道教とは、中国古代に生まれた民族宗教です。道教に取り入れられた神仙思想は、水墨画とともに日本庭園に大きな影響を与えました。神仙思想では、海の彼方にある蓬莱山に仙人が存在し、不老不死の薬、仙薬をつくっているとされます。秦の始皇帝も不老不死を願って仙薬を探しに行くよう命令したといわれています。
日本庭園の配置構成の中には、蓬莱山をイメージした蓬莱石組があります。また、蓬莱山へ不老不死の仙薬や金銀財宝を求めて海を渡った様子を意味する、船石が置かれます。庭というキャンパスに神仙思想の世界を描いて、不老不死の願いを込めたのでしょう。